「ペンギン大学」を名乗るWebサイトは、世界広しといえども、ここだけではないかと思います。ほんの数十年前まで、ペンギンは一部の国々、特に南極の探検や観測に長年携わってきた国々、あるいは野生のペンギンが実際に生息している南半球の国々だけの「人気動物」でした。しかし、巨大水族館を造り維持する技術革新が急速に進展し、同時に、経済的に豊かな市民層が世界中に形成され始めた1990年代後半以降、このユニークな海鳥への関心が地球規模に拡大し、動物園・水族館だけでなく、南半球や特に南極に生息する野生のペンギンたちを観察しようと考える人々の数が爆発的に増えているのです。したがって、SNS上での「ペンギン情報」もこれまで想像もできなかったほどの勢いで増殖しているのは、皆様ご存知の通りです。
様々な映像や情報が入り乱れる中で、ペンギンについて本質的かつ基本的なテーマを追究するサイト、現状を正しく認識・把握し、正確かつ科学的・論理的に事実を伝え、分析・論評を加えるサイト、二次的情報のみに依存することなくオリジナリティーを重視し、ほかの実績豊かな専門家との相互交流を欠かさないサイト、そして、日本国内だけの内弁慶的視野や価値観ではなくグローバルで開かれた内外の専門家集団との友好的・協力的交流を基盤とするサイト。このような基本姿勢、基本理念を掲げるサイトこそが、現在と未来のペンギンを巡る真摯な研究と情報交換、愛好家相互の建設的交流を永く保障し、人間とペンギンとの望ましい未来像を模索する最も生産的な「場」となると信じてやみません。
「ペンギン大学」という呼び名には、そのような関係者の思いが、深く熱く込められていることをここに宣言致します。皆様のお力添えと活発な交流とを、心から願う次第です。