~プロジェクションマッピングによるマゼランペンギンのエンリッチメント向上プロジェクト~

ペンギンを初めて飼育・展示したのは、イギリスのロンドン動物園で、1865年のことでした。ちなみに、ペンギンの種類はキングペンギン。日本では、1915年、上野動物園でのフンボルトペンギンの飼育が最初の例だと言われています。というわけで、今年=2015年は、はからずも、世界史的に言えば「ペンギン飼育150周年」、日本史的に言えば「ペンギン飼育100周年」という記念の年なのです。

現在、世界には18種類のペンギンが生息していますが、そのうち12種類前後のペンギンが、世界の動物園や水族館で飼育・展示されています。日本には、2015年現在、100ヵ所以上の施設で12種類、4000羽ほどのペンギンが飼育されていると考えられています。ペンギンは、日本だけでなく、世界的にみても、「動物園や水族館の定番動物」だと言えるでしょう。

過去150年にわたるペンギン飼育の歴史は、不断の技術改良の歴史でもあります。ペンギンたちをいかに長生きさせるか?いかに繁殖させるか?という重い課題に、世界中の飼育スタッフが取り組んできました。様々な飼育下特有の病気を、どのように予防しどのように治療するのか?繁殖率を上げるために、効果的な方法は何か?最適な水温、水質、気温、湿度は?より栄養バランスのとれた餌は何か?…等々、研究課題は多岐に及びます。

これらの「ペンギン飼育史」と「飼育・展示技術」等につきましては、また改めて別の講座で詳しくご紹介して参ります。今回は、2015年、すみだ水族館で始まった「プロジェクションマッピングによるマゼランペンギンのエンリッチメント向上プロジェクト」について、その概要と意義とをご紹介していきたいと思います。

飼育下のペンギンには、まだまだ多くの解決・改善すべき技術的課題が残されています。その最大の課題の1つが、「飼育下のペンギンたちをいかに野生に近い状態で泳がせ潜水させることができるか?」ということです。別の言い方をすれば、「動物園や水族館のペンギンたちの水中での活動時間や運動量を、可能な限り野生の状態に近づけたい」ということです。

そうなのです!動物園や水族館で1日の大半をボーッとして、陸上で寝て過ごすペンギンの姿は、野生本来の姿ではないのです!!ペンギンは、一生の60~70パーセント以上の時間を、海上や水中で過ごす生き物=本物の「海鳥」なのです。海上や水中でのペンギンの姿こそが、ペンギン本来の姿なのです。陸上での暮らしぶりが「静」だとすれば、海上・水中での暮らしは活発な「動」だと言えます。その真の姿は、最近のバイオロギング、特に「ビデオロガー」による研究や、優れた野生ドキュメンタリー映像作品によって、少しずつ解明され、広く知られるようになってきました。

野生のペンギンたちが海上や水中でどのように暮らしているのかについては、また、改めて「ペンギンの基本的生態」をご紹介する講座で細かく解説していきたいと考えております。ここでは、2015年に始まった「すみだ水族館での意欲的かつ先進的でユニークな研究活動=プロジェクト」をご紹介しながら、動物園や水族館のペンギンたちに、少しでも野生に近い状態で泳ぎ潜る姿を再現してもらうにはどうすればよいのか?その具体的・効果的方法について考えていきたいと思います。

【講座サンプル】

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【e-learning講座】

ペンギン大学~すみだ水族館~ 時間(分)
 すみだ水族館 前編 10分
 すみだ水族館 中編  9分
 すみだ水族館 後編  7分
 ペンギン花火  9分
e-learning講座 価格 1000円
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