『南極のアデリーペンギン』(青土社)を6月27日(火)に出版致します‼️
今月2冊目の新刊です。
本書のタイトルは
『南極のアデリーペンギン:世界で最初のペンギン観察日誌』(青土社)、
原著者はジョージ・マレー・レビック、
本論の翻訳は夏目大さんが担当、
上田は解説部分の翻訳と執筆を担当しました。
本書に関する詳細や購入情報につきましては、下記の公式ホームページをご覧下さい。
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3818
「本論」部分は、1914年にイギリスで出版された
『ANTARCTIC PENGUINS : A Study of their Social Habits』George Murray Levick, London, William Heinemann の全訳です。
添付した写真は、上田が所有しているその初版本で、140ページあります。
原著者のレビックは、
いわゆる「テラ・ノヴァ号による英国南極探検隊」の一員で、
世界最大のアデリーペンギンの繁殖地として知られるアデア岬で、
アデリーペンギン等の繁殖生態を初めて詳細に記録・研究した人物です。
110年ほど昔の話です。
本論部分には、
レビック自身が撮影した75点の写真が添えられていて、
アデリーペンギン等の行動が生き生きと表現されています。
110年以上前ですから、
デジタルでもフィルムでもなく「ガラス乾板」を用いたモノクロ写真です。
激しく動くペンギンたちを当時の技術でどのように撮影したのか?
その苦労を想像しながら楽しむこともできます。
本論には、アデリーペンギンの繁殖生態が丁寧に解説されていますので、
それだけでも楽しい読み物です。
ただし、本書にはもう1つ別のテーマがあります。
それは、アデリーペンギンの性的行動を巡る研究者達の葛藤です。
あるいは、「現代ペンギン研究史」の一面といってもよいでしょう。
この第二のテーマは「あまくないペンギン物語」です。
「かわいいお話」ではありません。
そういう意味では「大人むき」かもしれません。
もう1つ。
本書は、既に刊行されている
『南極探検とペンギン:忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態』(ロイド・スペンサー・デイヴィス著、夏目大訳、青土社、2021)、
『ペンギンもつらいよ』(ロイド・スペンサー・デイヴィス著、上田一生・沼田美穂子訳・解説、青土社、2022)
の「姉妹編」ともいえる1冊です。
前者は、レビックの研究結果に衝撃を受けた
現代ペンギン学のリーダー的存在=デイヴィス博士による「レビック遍歴」の記録です。
後者は、ペンギンの性的行動を含む
新しい「ペンギン像」を提唱するデイヴィス博士の代表作です。
ぜひ、これらの2冊と共にお読み下さい。