ペンギンのためなら地方から東京へ行くのも厭わない、ペンギン大学 研究員・小川起世美です。
2018年8月25日(土)に公開される『皇帝ペンギン ただいま』を前に
7月3日に、都内にてプレミア試写会が行われ、
ペンギン大学・上田一生学長とリュック・ジャケ監督の対談が行われました。
この試写会前に行った独占インタビューの様子はこちらの記事にまとめています。
リュック・ジャケ監督が語る映画への想い
今回の映画は1羽の40歳の父ペンギンを中心としてストーリーを展開させています。
その想いを監督は、
「研究者から『40〜50歳にもなるペンギンもいる』という情報を聞き、その長寿の秘密を知りたいと思い、そこにフォーカスさせた」と語りました。
子育ての大ベテランである父ペンギンの姿を映画で丁寧に映し出されています。
上田学長が「若鳥が初めての海を前に戸惑いのような様子が映っていた。その姿に込めた思いは?」と質問すると、
「今まで6回南極に行っているが、巣立ちを迎えた若鳥たちが海へ入るまでの姿を間近で撮影できたのは初めて。
初めての海を前に数日間立ち尽くす姿。『迷い』や『恐れ』を感じているように見えたことが印象的だった」と監督は答えました。
今回の映画の一つの大きな見どころは【水中撮影】。
12年の時を経て、高性能となったカメラと熟練のダイバーによる撮影が、
水温−2°Cの中、長時間にわたる映像を撮影することに成功しました。
監督は「水深100mの南極の海での撮影は世界的にも初めての試み。撮影機材もたくさんあり、入念な準備を行った。
細心の注意を払いながら撮影した映像は本当に美しく、スタッフ皆で感嘆した。
ペンギンの半生は水中なのでその姿を撮ることで、彼らの生態を知ることができ多くの意味をもたらしたと思う」と振り返りました。
2015年にパリにて開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)にリュック・ジャケ監督は南極の映像提供をライブ配信しました。
そのことを監督は「映画作りとして、国際会議と連動し、南極の氷の状態が『今 どうなっているか』をメディアを通して伝えられたことは名誉だと思う。
研究者はこのままだと50年以内にコウテイペンギンたちが絶滅すると警告している。
映画人として、映像を撮り、声高にこの美しい南極とペンギンは財産だということを伝え、守っていくものだと意識させたい」と熱い想いを言葉にしました。
温暖化により、どう変化しているかを監督は
「南極の氷は軟水であり、一度溶けると海水より早く固まる。
それにより海とペンギンたちのコロニーの距離が拡がるため、ヒナへエサを与えるための往復時間がより掛かってしまう。
結果としてヒナが飢え死にする可能性が高くなる。
また、南極に雨が降ることで、防水機能がないヒナは体が冷え弱ってしまう。
たった−1°Cの変化で彼らは生きるか死ぬかという状況に陥っている」と厳しい現実を語りました。
最後に、「監督がこれから何をしていきたいか」という質問に対して、
「私が言葉で伝えることは特になく、映像で伝えていく。
絶滅の危機に瀕している動物が多いガラパゴスの自然の変化を伝えたい」と新たな道への想いを語りました。
ここに注目!映画の見どころ7連発
監督の対談とわたくし小川自身が映画を観た上で、見所をお伝えしたいと思います!
小川のマニアック目線も大いに含まれておりますが、
この日に12年前の『皇帝ペンギン』DVDを復習がてら改めて観たこともあり、その違い含め見所を7つにまとめました。
(1)前回とは比べ物にならないほど美しい映像技術
4Kカメラでの撮影やドローンによる空中撮影はもちろんのこと、
監督も力を入れた水中撮影は他では見たことのない
ペンギンの真の姿を見(魅)せてくれます。
何度も見たくなる美しさをぜひ劇場で観てください。
(2)初めての海にヒナたちの心境は…
監督も仰っていたように、ヒナたちが初めての海に飛び込むまでに
『戸惑い』や『恐れ』などそんな感情が見えてくるような姿が丁寧に映されています。
『ペンギンにも感情がある』と思わせるような姿にぜひ注目してみてください。
(3)おぼつかない足取りからの華麗な泳ぎ
監督がペンギンの素晴らしさとして水陸両用の部分を挙げています。
陸上では二足歩行の、ちょっと遅々とした不器用な動きだけれど、
水中に入った途端にものすごいスピードで泳ぐ姿。
同じ動物とは思えないようなギャップが見事に映画の中に映し出されています。
(4)ヒナが大人になっていく際の声変わり
ヒナが海へ巣立つまでを前回よりも丁寧に映し出されています。
はじめは「ピィ、ピィ!」と可愛らしい鳴き声をしていたヒナたちが
ある時から大人のそれに近い鳴き声に移り変わっていきます。
『声変わり』をして大人へと成長していく過程をぜひ音に集中しながら聴いてみてください。
(5)さりげなくいるアデリーペンギン
今回はコウテイペンギンだけではなく、同じ南極に住むアデリーペンギンも登場します。
大人になっていくコウテイヒナにに対しアデリーが近づいていく姿はとてもコミカルで微笑ましいシーンとなっています。
それ以外にも、空中からの映像の端っこに小さく写り込んでいるアデリーや、
コウテイたちがたくさんいる中でさりげなく居座るアデリーなど、
私が数えただけでも30カット以上はアデリーペンギンが写り込んでいます。
「ウォーリーをさがせ」ならぬ「アデリーをさがせ」をぜひしてみては?
(6)美しく不可思議な深海生物
コウテイペンギンの泳ぎを見事に映した水中撮影。
ペンギン以外の深海の姿も美しく映されています。
ペンギンたちが深く潜る海の底に生きる生き物、その不思議な世界を見る事ができるのも
この映画の一つの魅力ではないでしょうか。
(7)前作があってこその今作!
前作『皇帝ペンギン』では、大人のペンギンがパートナーと出逢い子育てをしていく、時系列に沿ったストーリーが展開されています。
しかし今回は、大きく成長したヒナが最初に登場し、時間の流れに沿わない展開となっています。
今作のみでももちろん充分に楽しめる内容ですが、
12年の時を経て映像がどう進化したのか、南極の氷の変化、ペンギンたちをより美しく映し出している姿、
様々なシーンが12年前とは違った形でスクリーンに帰ってきた・・・
その違いをぜひ感じて頂くうえでも、前作を事前に観ておくと、より一層『皇帝ペンギン ただいま』を楽しめる事間違いなしです!
まとめ
いかがだったでしょうか?
あくまでわたくし小川が独断と偏見で選んだ見所でしたが、
ぜひあなたの目で観てコウテイペンギンの美しさと南極を体感してみてください!
『皇帝ペンギン ただいま』公式サイトはこちら
8月25日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ他、全国公開
クレジット:©︎BONNE PIOCHE CINEMA – PAPRIKA FILMS – 2016 – Photo:©︎Daisy Gilardini penguin-tadaima.com
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こんな感じでフレーム撮影ができます♪
おまけ
試写会が終了し、会場を出ると見覚えのあるペンギンさんが!
『皇帝ペンギン ただいま』の公式キャラクターにもなっている
ペンギン飛行機研究所の ぺんた じゃないですか!
Instagramで大人気を博していて、わたくし小川もフォローしている生ぺんたが目の前に!!
声を掛けたら、快く写真を撮らせていただけました♪
リアルなぺんたと小春、可愛すぎます♪
ぺんたのInstagramはこちら!