はじめに
わたくし小川 起世美(オガワ キヨミ)は高校時代、
映画館で観たペンギンのドキュメンタリー映画『皇帝ペンギン』をキッカケに、ペンギンという生き物に魅了されました。
すぐさまペンギンに関する図鑑や書籍を読み漁り
「ペンギンは全部で18種、そのうち6種はニュージーランドに生息している」事を知りました。
その時私は「ニュージーランドへ行けば一気に多種類の野生ペンギンに出逢える!」という単純な考えから
「いつかニュージーランドへ行きたい」
「行くとしたら長期間」
「仕事をしてお金を貯めて25歳くらいには行きたい」
と大雑把な夢を思い描きました。
そして専門学校を経て就職、4年半ほど働き、最低限の資金を手に独りニュージーランドへ、
ワーキング・ホリデーという形で2013年3月30日から2014年3月29日の約1年間生活しました。
「ニュージーランドに生息しているペンギンは6種」と記したけれど、
厳密に言うとそのうち3種【スネアーズ、ミナミイワトビ、マユダチ】は周辺の島々に生息、
一般人の上陸は出来ない又は制限されており、
ニュージーランド本土に限定すると3種【キガシラ、フィヨルドランド、コガタ(ハネジロ含む)】が生息しています。
結果的に私はその3種に出逢う事が出来ました。
ここでは具体的に、ニュージーランドの何処で・どの種類を・どのような手段で・どの時期に…
という情報を、写真などを交えながら連載していきます。
ニュージーランドでの過ごし方
本題に入る前に、私がどのようにして1年間もニュージーランドで過ごしたのかを、軽く説明しておきます。
1年間も宿に泊まっていたとしたら、膨大な宿泊費がかかってしまいます。
もちろんそんな資金は持ち合わせていない私は、
WWOOF/ウーフ(World Wide Opportunities on Organic Farms/世界に広がる有機農場での機会)という、
お金のやりとりなしで「食事・宿泊場所」を提供してもらう代わりに「労働力」「知識・経験」を提供する、
いわゆる「働くファームステイ」を活用しました。
もともと農業にも興味がある私にとってはこれ以上にない素敵な制度でした。
また現地に住んでいる人と交流が出来るため、その地域の情報を得るには最高の機会で、
例えばオアマルでファームステイをした時には、そのホストに車でキガシラペンギンのコロニーに連れて行ってもらったこともありました。
このようなファームステイを各地でしながらニュージーランドを北から南まで巡ることが出来たのです。
基本的な移動手段は高速バス、北島・南島・スチュアート島間はフェリーを利用しました。
野生のペンギンを観察する上での注意点
まず動物に対して全てに言えることだけれど、カメラで撮影する際、フラッシュ使用厳禁。
また、ニュージーランドに生息しているペンギン全種(特にキガシラ、フィヨルドランド)は臆病で警戒心が強いのです。
私が経験した中で例えば、巣から海へ向かうフィヨルドランドペンギンを20m以上離れて観察していた時、
私の足下の石が「ジャリッ」と音を立てた瞬間(決して大きな音ではなかった)、
彼らはハッとこちらに気づき、進めていた足を止めて立ちすくんだり、来ていた道を引き返してしまいました。
ペンギン生息域各所で見つけた掲示物などには注意書きがしっかりと書かれていました。
以上のことから、ペンギン観察の際は距離を十分に保って静かに観察することが大切。
その中で必需品となるのが『双眼鏡』。もしくはズーム機能が充実したカメラでも良いでしょう。
また別に注意しなければいけない事は『サンドフライ対策』。
サンドフライとは2,3mmほどの小さな黒い虫、ブユです。ニュージーランドの南島、特に南西地域の水辺に多く生息。
つまり、南島に多く生息する野生ペンギンを観察する上で避けては通れない障害となります。
蚊と同様、吸血するため少しでも肌を露出していると噛まれ、その後非常に痒くなります。
その対策は、とにかく肌を露出しないこと。
長袖長ズボンはもちろんのこと、虫除けネット付き帽子や目出し帽を被り、手袋をする完全防備をすれば、長時間の観察も問題なく出来ます。
また日本の虫除け剤では効果が無いため、現地で購入する事をオススメします。
次回は・・・
ニュージーランドにそもそもどの種類がどの辺りにいるのかを詳しく、
地図やイラストを用いて基礎情報を掲載予定!
小川起世美でした∧(・Θ・)ノシ