週イチ投稿を目指しております、ニュージーランド記事担当・小川起世美(オガワ キヨミ)です。
前記事では、ニュージーランドのペンギン分布をまとめさせていただきました。
その中で、【コガタペンギン】と【ハネジロペンギン(コガタペンギンの亜種)】
とわざわざ書き分けていました。
今回は、その2種のどこがどう違うのか、なぜ書き分けているのかを記していきます。
【種】と【亜種】って?
まず先に【種】と【亜種】についての説明を致します。
生物分類学において【界・門・綱・目・科・属・種(かい もん こう もく か ぞく しゅ)】
という分類階級があります。(詳細)
【コガタペンギン】を例にとると、
界:動物界 |
門:脊椎動物門 |
綱:鳥綱 |
目:ペンギン目 |
科:ペンギン科 |
属:コガタペンギン(ユーディプテューラ)属 |
種:コガタペンギン |
という分類になります。
そして実は、【種】の下に【亜種】という単位が存在します。
【亜種】とは、同じ【種】を更に細かい違いで分けたもので、
同じ種だけれど生息する場所や行動・形態に異なる部分があるというのが定義です。
コガタペンギンとハネジロペンギンの違い
では、この2種の違いはどこなのでしょうか。
ニュージーランド南島中部に位置するクライストチャーチに、
国際南極センターという施設があります。
この施設内では、野生下では生きていけない何かしらの障害を持ったペンギンが保護・飼育されていました。
そしてそこにはコガタペンギンとハネジロペンギンが同居していました(2014/03/10当時)。
こちらの写真は、その時撮影したものです。
左側にいる集団がコガタペンギン。右側にいる集団がハネジロペンギン。
見分けるポイントとしては【フリッパー(翼)】と【背中の色】の2カ所です。
ハネジロペンギンのフリッパーは白い縁取りがあるのが分かるかと思います。
背中の色はコガタが濃い青色をしているのに対し、ハネジロは明るい色をしています。
また、生息域に関しても違いがあります。
ニュージーランド全域に分布しているコガタペンギンに対して、
ハネジロペンギンはクライストチャーチの東に位置する
バンクス半島にのみ分布しています。
そのため、バンクス半島にあるアカロアという町から
ハネジロペンギンを見る事ができるツアーも組まれています(公式サイト)。
わたくしもこのツアーに参加し、ハネジロペンギンに出逢う事ができました。
コガタ・ハネジロを書き分ける理由
上述したように、この2種には見た目的にも判りやすい違いがあります。
またハネジロペンギンのツアー公式サイトでも『White-flippered penguin(ハネジロペンギン)』と表記していることもあり、
この度のニュージーランドペンギン記事では統一して
【コガタペンギン】【ハネジロペンギン(コガタペンギンの亜種)】
という形で表記していきたいと思います。
ある意味この記事は、今後のペンギン情報を報告する上で、
混乱を避けるための注釈記事という位置づけでしょうか。
【補足】コガタ・ハネジロは別種ではないのか?
少し前(2014年以前)に発行されたペンギンに関する書籍を読んでいると
コガタとハネジロを別種と扱っているものが多くあります。
しかし、ペンギンの研究というのは現在進行形で進んでいます。
それに伴い、新たな発見があり今までの情報を覆すことがあります。
2014年に発売された『ペンギンの不思議』という書籍に
コガタペンギンとハネジロペンギンの種と亜種について記されています。
ホワイトフリッパードペンギンはオアマル地域のリトルペンギンと交尾し
子を作っているというのです。
亜種間では子ができることは考えられますが、種が違うと子はできないはずです。
それが種の定義です。
[中略]
ホワイトフリッパードペンギンがリトルペンギンと別種であるという証拠は
DNA解析でも出ていない
(注:ホワイトフリッパードペンギン=ハネジロペンギン、リトルペンギン=コガタペンギン)
わたくしの個人ペンギンブログにて『ペンギン全種は何種類?』という記事で、
この件についてもう少し詳しくまとめていますので、お時間がある方は目を通してみても良いかもしれません。
次回は・・・
私が過ごしたニュージーランドでの1年間、
どういう道のりで・どこで・どのペンギンに出逢ってきたのか
全体の地図を用いてお伝えしたいと考えています。
やっと本題、、、という感じでしょうか。
お待たせしました!
この度も、最後までお付き合いありがとうございました。
小川起世美でした∧(・Θ・)ノシ